膨張と縮小を繰り返し、やがて【宇宙の闇】に消えていく…「太陽」の50億余年にわたる"紆余曲折"
老年期を迎えた星は巨大化して赤く見える
生まれてきたものはいつか死を迎える──それは生命だけでなく、天体も同じです。今から50億年以上先の未来に訪れる、地球と太陽の最期の姿を紹介しましょう。
現在の太陽は中心部で水素(の原子核)を燃やしてヘリウム(の原子核)を作る核融合反応を起こして、膨大なエネルギーを放出しています。この状態は星としての大人の段階、安定した状態であり、主系列星と呼ばれます。
太陽の場合、少なくともあと50億年は主系列星の段階にいると思われます。ですがやがて、太陽は燃料の水素をほぼ使い果たし、中心部は燃えかすのヘリウムだらけになります。
もはやエネルギーを出さない中心部は収縮して、そのために温度が上がります。すると、その周囲にある、まだ燃えずに残っていた水素が激しく燃えて、大量の熱が放出され、その影響で太陽の表面がどんどん膨張していきます。
膨らんだ表面部分は温度が下がるため、巨大化した太陽は現在のような黄色ではなく、赤く見えることになります。こうした星を「赤色巨星」といいます。主系列星が壮年期の星であるのに対して、赤色巨星は老年期を迎えた星だといえます。



















無料会員登録はこちら
ログインはこちら