膨張と縮小を繰り返し、やがて【宇宙の闇】に消えていく…「太陽」の50億余年にわたる"紆余曲折"
漸近巨星分枝の段階から白色矮星になるまでには、1000万年ほどしかかからないと考えられています。
有名な白色矮星として「シリウスB」があります。冬の星座であるおおいぬ座の1等星・シリウスのお供の星(伴星)です。主星である「シリウスA」は太陽の2倍の重さを持つ、全天でもっとも明るく見える恒星(太陽を除く)です。
一方、シリウスBは8等星で、シリウスAが明るすぎるために、小さな望遠鏡では視認できません。太陽と同じくらいの重さを持つのに、大きさは地球の90%しかないので、非常に高密度の星であり、表面の重力は地球の40万倍にもなります。
やがて宇宙の闇の中に消えていく太陽の最期
さて、白色矮星になった太陽は、内部にはもう熱源がないので、数十億年かけてゆっくりと冷えていきます。
しかし初めのうちは、白色矮星から強い紫外線が放出され、周囲にまき散らされたガスを電離させます。するとガスは、色とりどりに美しく光り輝きます。これを「惑星状星雲」といいます。
昔、望遠鏡の性能が良くなかったため、球状に輝くこの天体が木星や土星のように見えたので、惑星状星雲という名前がつきました。実際は星雲(ガス)であって、惑星とは関係ありません。
その輝きの期間は短く、1000年から数万年です。さらに数十億年経つと、白色矮星の白い輝きも失われていきます。ついに光(電磁波)を出さない黒色矮星となって、宇宙の闇の中に消えていきます。これが太陽の最期の姿です。
黒色矮星は、実在は確認されていませんが、太陽の8倍までの重さの恒星が行き着く先だと考えられています。
太陽より8倍以上重い星の場合、中心部の温度が7億度以上になって、炭素や酸素が核融合を始め、さらに重い元素が作られていきます。
最終的に星の中心部に鉄ができますが、鉄はこれ以上核融合を起こさないので、中心部が急速に収縮し、ついに大爆発を起こします。これが超新星爆発です。
そして黒色矮星となった太陽の周囲を、太陽に飲み込まれなかった火星や木星、土星などの惑星が、何百億年、何千億年と静かに公転し続けるでしょう。



















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