「日報をAIに丸投げ」した新人の1年後の悲惨な末路 日報はなぜあるのか? AIを「使うな」ではなく「使い方を考える」必要がある

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
AI 文章作成
AIを使えば、文章を構成する力がなくても、それなりに整った文章が出力される。今回は「AIに丸投げ」することの問題点について考えてみたい(写真:TheGhan/PIXTA)

「まさか、10人中8人がAIに丸投げしてたとは……」

ある機械メーカーの営業部長が、頭を抱えていた。

昨年入社した新入社員10人のうち、8人がAIを使って日報を書いていたことが発覚したのだという。しかも、入社直後からずっと。つまり、1年間にわたってAIに日報を書かせ続けていたことになる。

「どうりで、文章がなんか”AIくさい”と思っていたんです。構成もしっかりしているし、誤字脱字もないからと……」

それにしても、AIに日報を書かせることに、どんな問題があるのだろうか? そこに副作用はあるのだろうか?

そこで今回は、「AIに丸投げ」することの問題点について考えてみたい。部下の成長を願うマネジャーは、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

発覚のきっかけは「研修での異変」だった

問題が明らかになったのは、入社2年目を迎えた社員たちに対する研修でのことだった。

外部から招いた研修トレーナーが、思考力を鍛えるワークショップを実施した。テーマは「今期の営業戦略について、自分なりの改善提案をまとめる」というもの。制限時間は30分。手書きで、A4用紙1枚にまとめる。

研修トレーナーは、提出された内容を見て絶句したという。

「10人中8人の内容が、驚くほど薄いんです。事実の羅列だけで、自分なりの考察がない。『なぜそう思うのか』『具体的にどうするのか』が書けていない。正直、入社2年目の社員としては、かなり心配なレベルです」

部長はその報告を聞いて、愕然とした。そして、ふと気づいた。

「ああ、あの8人だ……」

調べてみると、案の定だった。その8人とは、1年間日報をAIに丸投げして書かせた8人だった。彼ら彼女らは、ChatGPTのアプリに向かって、その日あったことを音声でべらべらと話す。

そして「これを日報にまとめて」と指示する。あとは「800字で」「箇条書きで」「結論ファーストで」と体裁を指定していたのだ。そうすれば、AIが整った日報を出力してくれるからだ。

それを1年間、毎日続けていた。

次ページなぜ日報を書くのか、そもそもの目的を考える
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事