日本の学校教育は今、かつてない危機に直面しています。
文部科学省の調査によれば、不登校の児童生徒数は過去最多を更新し続け、教員採用試験の倍率は各地で過去最低水準を記録。現場では教員不足が常態化し、多忙を極める教員が教室で一人孤立し、精神的に追い詰められるケースも少なくありません。
「令和の日本型学校教育」が掲げる「個別最適な学びと協働的な学び」への転換が急がれる中、私たちはどのような「学校の姿」を目指すべきなのでしょうか。その突破口として注目したいのが、「学びの共同体」の実践です。
今回、わずか3年で劇的な再生を遂げた川口市立北中学校(以下、北中)と、14年間実践を続けている入間市立豊岡中学校(以下、豊岡中)を取材。両校の実践は、生徒の学力向上だけでなく、教員が専門職としての「やりがい」を取り戻すための、本質的な改革でした。
「教える」から「学びをデザインする」専門家へ
「学びの共同体」(東京大学名誉教授・佐藤学氏提唱)の核心は、教室を「教える場」から「共に学ぶ場」へと再定義することにあります。その具体的な手法が、4人組のグループ学習を軸にした「聴き合う関係」の構築です。
一斉授業では、教師は教卓から知識を一方的に伝達する「パフォーマー」になりがちですが、学びの共同体では、教師は子どもたち一人ひとりの小さなつぶやきに耳を傾け、「わからない」と誰かが言ったとき、それをクラス全員の学びにつなぎ、広げていきます。
教師の役割は、正解を教えることではなく、子どもたちの思考の糸を丁寧に紡ぎ、つなぎ合わせる「学びのデザイン」へと移行します。





















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