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1人当たりGDPは日本の3.5倍、アイルランドは本当に"豊か"なのか――AI時代で迎えたFDI成長モデルの「賞味期限」

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アイルランドの首都ダブリン。歴史的な建物と近代的な建物が入り混じる(写真: Guven Ozdemir)

イギリスの西側に位置するアイルランド。人口わずか550万人のこの国は世界有数の「経済成長国」である。イギリスのシンクタンク経済問題研究所(IEA)によると、1996年から2024年までの国内総生産(GDP)の平均成長率は5.82%に上り、25年も前年比10.7%伸びると見込まれている。1人当たりの名目GDP(24年)は11.2万ドルと世界3位。日本(3.2万ドル、世界40位)の約3.5倍の水準だ。

背景には1960年代以降、海外からの直接投資(FDI)を増やしてきたことがある。アイルランドには、グーグルやマイクロソフト、オープンAIなどアメリカのテック大手が欧州拠点を構える。欧州随一の「テックハブ」になったアイルランドだが、実際に国民は「豊か」なのか。

グローバル企業が続々進出

かつては貧困国だったアイルランドが「外向き」の政策に舵を切り、経済構造が大きく変わったのは過去20〜30年間のこと。無償教育を導入したほか、STEM(理系、エンジニアリング教育)に力を入れてきた。

12.5%という低い法人税率に加え、英語圏であることも奏功し、グローバルに展開する企業がヨーロッパ本社や開発・生産拠点を置くように。それも、かつては製薬会社が中心だったが、IT企業、インテル、東京エレクトロンといった半導体関連企業も工場などを構えている。

昨年はソニー子会社のソニー・インタラクティブエンタテインメントや米ペイパルが新拠点設立を発表。海外企業の誘致などを手がけるアイルランド政府産業開発庁(IDAアイルランド)によると、25年の投資承認数は前年比38%増の323件に達した。

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