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1人当たりGDPは日本の3.5倍、アイルランドは本当に"豊か"なのか――AI時代で迎えたFDI成長モデルの「賞味期限」

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こうした積極的な企業からの投資による恩恵について、IDAのマイケル・ローハン長官は「現在のアイルランドの輸出の70%、法人税収の70%はFDI企業によるものだ」と胸を張る。

アイルランド政府産業開発庁(IDAアイルランド)のマイケル・ローハン長官。海外からの直接投資を増やすことで経済成長を実現したと胸を張る(写真:編集部撮影)

IDAによると、FDI企業による地元サプライヤーへの支出額は年間5000万ユーロに上るという。さらに、「FDI企業に直接雇用されている人は30万人に上り、これははアイルランドの労働人口の約11%に相当する」(ローハン長官)。

「恩恵を受けているのは首都ダブリンだけではない」とローハン長官は言う。IDAのクライアント企業を見ると、全体の50%以上がダブリン以外の地域に拠点を設けており、地方も雇用拡大による経済的恩恵を受けているとする。「消費も堅調で、アイルランドの一般家庭は比較的しっかりとした貯蓄を保っている層が多い」(同長官)。

ダブリン大学トリニティ・カレッジで経済学の教鞭をとるルイス・ブレナン教授は、海外企業の進出による利点の1つに人材の競争力が上がったことを挙げる。「FDIによって労働者の技能水準が向上しただけでなく、国内のマネジメント層の質も上がった。数十年前と違って、今のアイルランドには世界で競争できる優秀なマネジャーやビジネスリーダーがいる」。

経済成長は実感できているのか

一方で、こうした経済成長を国民が実感できているかはまた別だとの見方がある。

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