世界で増える「日本ファン」。日本大好きアメリカ人エコノミストが"アメリカ外し"の無秩序な世界でも日本が"意外に繁栄できる"と考える訳

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(撮影:今井康一)
物価高騰や停滞する賃金、高齢化問題に加えてトランプ関税による先行き不透明感――日本経済を見るとこれまで以上に「詰んでる」感があるが、偶然にも同時期に日本経済に関する著書を上梓したアメリカ人ジャーナリスト2人は、「日本経済の先行きには楽観的」と太鼓判を押す。
無秩序な時代での日本の生き残り方について、『「失われた30年」に誰がした』の著者、リチャード・カッツ氏と、『ウィーブが日本を救うーー日本大好きエコノミストの経済論』の著者、ノア・スミス氏が語り合った。
対談1回目:「この30年で日本は驚くほど変わった」日本大好きエコノミストと、知日派ジャーナリストが見た日本で起きている”劇的な変化”
対談2回目:日本、ついに「1人当たり」でポーランドにも抜かれる!?日本大好きエコノミストが語る"日本がこれから生き残るため"の《たった1つの方法》

経営者が若返った工場に起きた変化

ーーデジタル投資含めて、日本企業による投資の効率性は低いという話が出ましたが、経営陣が若返ればセンスは鋭くなりますか?

カッツ:中小企業に関する調査では、CEOなど経営陣の年齢水準は下がっていない。日本経済の大部分は中小企業が締めているが、CEOの年齢が高ければ高いほど、会社が古ければ古いほど、生産性の伸びは低くなる傾向にある。

例を挙げよう。ある金属加工会社で後継者問題が発生した。子がなかった社長は、43歳の工場長に継がせたたところ、数年のうちに売り上げを3、4倍に増やして、利益も4倍に増やした。

この会社を買収したプライベート・エクイティ(PE)曰く、68歳の元社長は「投資して失敗したら社員が路頭に迷う」と考えていたそうだが、43歳の新社長は「投資しなかったら競合に出し抜かれて社員が路頭に迷う」と考えていたそうだ。年齢だけでは語れないが、2人にはそうした違いがあった。

超高齢社会において、若い経営者をどこで見つけるのか?もちろん、社内から若手を引き上げるケースもあるが、それだけでは足りない。移民や外国人マネージャーの存在も必要だ。

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