前川恒雄『移動図書館ひまわり号』/夏葉社
日野市立図書館の館長に着任する2年前の1963年、前川恒雄はイギリスの図書館で6カ月間の研修を受けている。日本図書館協会事務局長として彼を送り出した有山崧には、利用の伸び悩む日本の図書館界が進むべき新たな道を、かの地で見いだしてほしいとの期待があったろう。
「奉仕し使われる図書館」
イギリスで前川は衝撃を受ける。どの図書館も新刊書店のように蔵書が豊富で、貸出を待つ人の列が館外までのびている。館長以下図書館員は利用者に積極的に話しかけ、とくに「何かを調べに来た人に対しては、とことん面倒をみる」。児童サービスも手厚い。
日本が「教育し与える図書館」であるのに対し、イギリスは「奉仕し使われる図書館」だった。あまりの違いに前川は「ほとんど絶望的な気分」で帰国したという。
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