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「ゼレンスキー氏のスピーチ」は、超一流の典型だ 日本人にいったい何を話し、訴えかけるのか

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  • 岡本 純子 コミュニケーション戦略研究家・コミュ力伝道師
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そのスピーチ戦略の1つ目の柱は「圧倒的な物量作戦」です。

【1】圧倒的な物量作戦――国内外に数多く発信

大統領専用のウェブサイトには大量のスピーチ動画が掲載されており、国民向け、ロシア国民向け、友好国の国民・政府向けに頻繁に発信していることがわかります。

多いときには日に2本以上アップし、トレードマークのオリーブ色のシャツ、Tシャツ、パーカーに身を包み、日を追うにつれ、伸びていくあごひげが、戦局の長期化と緊迫感を伝えています。

国民向けのスピーチでは、日々戦況を伝えながら、熱く、しかし低く落ち着いた声で、励まし、鼓舞し続ける一方で、海外向けにもきめ細かく、各国の首脳や議会に直接訴えかける「スピーチ外交」を展開しています。

その2つ目の柱が「相手の靴を履く」です。

【2】相手の靴を履く――その国の国民に「最も響く言葉」を厳選

コミュニケーションはいかに相手の気持ちを慮り、共感を得るのかが核になります。日本の経営者、リーダーの多くは自分の話したいつまらない話を、つまらなく話すので、まったく心に刺さりません。

一方で、優れたリーダーは、まるで、その気持ちが乗り移ったかのように、「相手が聞きたい話」をするのです。そうすれば、相手は自分ごととして、真剣になってとらえてくれます。

だから、コミュニケーションにおいては、「相手の靴」を履き、相手の気持ちになって何を聞きたいのかを考えるのが、何よりも大切なわけです。

内容が国によってまったく違う

ゼレンスキー大統領の各国向けスピーチは、まさにその最も重要なルールを極めて実直に形にしています。驚くのは、内容が国によってまったく違うこと。同じ内容をちょっとアレンジしてというレベルではないのです。

それぞれの国の国民の「最も琴線に触れる言葉は何か、価値観や事象は何か」が徹底的に検証され、余すところなく盛り込まれています。

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【「アメリカ」「イギリス」でのスピーチを分析】

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