「間抜け」が究極ビジネススキルといえるワケ 仲間に可愛がられる人には共通点がある

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三枝:20~30代のビジネスマンがどうやって同僚や上司と折り合って仕事をすればよいかについてヒントがあるはずですし、グループ面談など、学生の就活時にも使えるスキルではないかなと考えています。

木本:バリバリのビジネスマンにとっての新しい武器だけでなく、これからビジネスの世界に入ってくる人にも使える本だと。

三枝:次世代の「面接の達人」として使ってもらえるとうれしいですね。

MCには際立った才能が必要ない

三枝 孝臣(さえぐさたかおみ)/1966年東京都生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。1989年日本テレビ入社。「スッキリ!!」のリニューアルや「ZIP!」の立ち上げを担当し、日テレの看板番組に育て上げた敏腕プロデューサー。「THE 夜もヒッパレ」「DAISUKI!」などのバラエティ番組から、「平成夫婦茶碗」などのドラマまで、手掛けた番組は100を超える。インターネット事業部を経て2015年日本テレビを退社。現在、自らの体験を元にメディアデザイン会社「アブリオ」を設立するとともに、LINE の前社長、森川亮氏の新事業「C CHANNEL」の取締役、オレンジアンドパートナーズ、ハウフルスの社外取締役などを兼務し、コンテンツプロデューサーとして活躍している

木本:なるほど、確かに面接にも使えそうです。では、最初の質問です。三枝さんの本にMCには際立った才能が必要ないと書いてあります。自分に自信がない人にも朗報ですが、それはどういう意味か教えてください。

三枝:番組のMCはスーパーマンしかなれないわけではありません。MCの力を構成する4つの力(ギャップ力、間抜け力、現場対応力、聴く力)に分解しました。その1つずつはビジネスにも使えると思ったんです。組み合わせると次の仕事がやってくるし、プロジェクトで重要な役割を果たせるようになる。

木本:お笑いライブのMCをやると、途端に緊張したりします。その裏にある気持ちは、MC=権力者のイメージがあるから。僕もかつてはそうだったのですが、三枝さんが本で書いているのは権力者としてのMCではありませんね。

三枝:以前は司会者と、芸人さんは分かれていました。司会はアナウンサーなどが台本どおりに進行していきましたが、いまはその場その場で的確に動かしていく役目です。たとえば、さんまさんはリーダー的な役割をほかのMCの方に比べてより多く果たしていると思いますが、それは番組をつねに前に進めるという意味で、必ずしも権力を握ったボスとして君臨しているのではありません。つまり、ビジネスの世界でも組織のワンマンが動かす時代ではないこととつながっていると思うのです。

木本:時代も、求められるスキルも変わっていて、必ずしも目立つ人がMCになれるわけではないと。

三枝:以前は、自分の名前で看板番組を背負うようなMCがいましたが、いまはいろいろな人がトータルで発火点を作る感じが多いですよね。一人が強力に引っ張るのではなくて、いろいろなやり方ができるようになり、MC像も変わってきています。新しいMC像と、これから活躍できるビジネスマン像は似ていると思います。

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