
メディアのお客様は視聴者ではなく企業。ネットメディアやSNSなども例外ではない(写真:nialowwa/PIXTA)
政治権力寄りとか偏った報道をしていると揶揄される新聞・テレビなどのオールドメディアは、ネットの台頭、SNSの普及にかかわらず、いまだにマスコミにおける主役の座を譲らずにいる。
しかし、「そもそも客観的なメディアなどない」とその構造から明らかにするのが、韓国でトリプルミリオンセラーとなった『全人類の教養大全1』シリーズ著者のチェ・ソンホ氏だ。
ソンホ氏によると、メディアのお客様は視聴者ではなく、企業――。莫大な企業広告に収益を依存することがメディアの客観的報道を困難にすると指摘する。収益構造を見ていくと、オールドメディアのみならず、ネットメディアやSNSなども例外ではないことが見えてくる。
メディアに「ジャーナリズム」などない
客観的なマスコミと放送が可能だという考えは、虚像に近い。客観的なメディアなんてない。
メディアは客観的な報道ができないという言葉には、2つの意味がある。
1つは客観的事実を伝達する能力が欠如しているというもので、もう1つは客観的事実に意図的に手を加えているというものだ。
前者はジャーナリズムの特性上、情報へのアクセスに制限があることを意味する。簡単にいえば、十分ではない情報をまちがって解釈し、誤った情報を伝えてしまうケースだ。これは意図的な誤報でなければ、それほど深刻な問題にはならない。
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