客観的報道ができてなくて当たり前。メディアのお客様は視聴者ではない。ネットやSNSも例外なく収益を広告に依存する不都合な真実

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メディアの根本的な利害関係を把握できていない人の多くは、メディアが政治権力の影響を大いに受けていると考えている。

保守政党の権力維持にも関与している?

もちろん一見そんなふうにも見えるだろう。ところが、本質的にメディアを揺さぶるのは、政治権力ではなく企業だ。反対に、メディアは企業の利益によって政治権力を揺さぶろうとする。

メディアのこのような収益構造の特性は、保守政党が持続的に勝利できている主な要因だ。僕たちもすでに知っているように、大衆はメディアから大きな影響を受けている。メディアは情報を得る手段を超えて、物差しとしての働きを持つようになった。

自分たちの権利と利益を代弁してくれる政党を軽々しく決めてしまう僕たち大衆は、メディアが見せるイメージをもとに政党を選ぶ。メディアに登場する政治家の外見や編集された言葉、専門家の評価を事実として受け止めて、信頼する。

メディアの収益構造が根本的な問題だとしたら、リベラルなマスコミや放送は本当に実現不可能なのだろうか? 実際には不可能だといえるだろう。新聞社とテレビ局がリベラルな傾向を打ち出すためにはまず、大企業からの広告費に頼らない収益構造が必要だ。

大企業の広告のおかげで、メディアが大衆に良質なサービスを無料で提供できているのもまた事実だ。大衆文化の質の向上に、メディアと企業間の共生構造がかかわっているのは明らかだ。

チェ・ソンホ 作家

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ちぇ・そんほ / Chae Sungho

1981年生まれ。作家。成均館大学哲学科卒業。学生時代から文学、哲学、宗教、西洋美術、物理学など多様なジャンルに没頭。「チェ社長」名義で執筆した『全人類の教養大全』シリーズは2014年に刊行されるやいなやトリプルミリオンを達成。2015年には国内著者別売上トップを記録。以来、ベストセラーの座が揺るがない驚異の作品である。自身のポッドキャストは2億ダウンロードをゆうに超え、テレビなどのメディア出演多数。読者に望むことは、社会と人生のしくみを理解し、人とのコミュニケーションをよりよいものにしてもらうこと。

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