「AI選書アプリ」の導入で学校図書館の貸出冊数が2.4倍に増加、"不読層"にも変化をもたらした「ヨンデミー実証実験」の中身
「令和7年度全国学力・学習状況調査」によると、「読書が好き」「家にある本の冊数が多い」と回答している児童生徒ほど各教科の正答率が高いとの結果が出ているが、一方で、読書が好きな児童生徒の割合は減少傾向にある。
子どもたちの読書離れや学力との関連が指摘されるようになって久しいが、こうした中、Yondemyが提供するオンラインの読書教育アプリ「ヨンデミー」が注目されている。AIの「ヨンデミー先生」というキャラクターが、子どもの好みや読書レベルに合わせて日々の選書をサポートする月額定額制アプリだ。
本の楽しみ方や感想の書き方を1日3分で学べる「ミニレッスン」や、「キャラクターとの冒険」などのゲーム性も盛り込まれており、小学生を中心にユーザーが増加、累計ユーザー数は約2万8000人に上る(関連記事)。
初の学校導入、現場は「読解力の低下」に危機感
そんなヨンデミーが、2025年6月から実証実験として愛知県豊橋市立津田小学校で導入された。公教育への参入としては5月から東京都文京区の育成室(学童)でも実証実験が始まっているが、学校現場への導入は初となる。Yondemy代表取締役の笹沼颯太氏は、こう話す。
「近年の課題となっている読書力の低下や読書離れを解決したいと考えており、学校との連携を模索していたところ、愛知県の老舗書店である豊川堂書店から豊橋市の教育委員会をご紹介いただき、自治体・書店・弊社の三者連携による実証実験が実現しました」
豊川堂は豊橋市内の全小学校に教材や図書を納入している書店で、学校図書館のデータも一元管理している。今回、その蔵書データとヨンデミーを連携することで、学校図書館で借りられる本から子どもたちに合った本を紹介できる体制が整ったという。


















