テレ東・狩野アナが「モヤさま」で学んだこと 20代に伝えたい、仕事との向き合い方
何が分からないかを伝えるのも、新人の役目
新人の頃の私は、失敗ばかりのアナウンサーでした。同期や先輩たちに追いつかなければ、という焦りだけで空回りしていました。自分の中で「アナウンサーはこうあるべきだ」という気持ちが先行して、がむしゃらにやってきたつもりでも、それは周囲から見れば、独りよがりの「自己満足」でしかなかったのかもしれません。
入社して、半年ほどたった頃です。席で予習などをしている自分に、デスクの先輩から声をかけられました。
「狩野。そろそろ自分で気づくかと思って見ていたけど、何も変わってないな。おまえ、この半年間、何やってた? 自分に何が足りないのか、自分で考えてみろ」
いきなりの出来事に、正直戸惑いが隠せません。私は何をやらかしてしまったのだ。誤読? 遅刻? いや、思い当たることはいまのところない……なんのことを言っているのだろう。
特定の仕事のことを指すわけでもなく、「自分で考えてみろ」というただその一言。先輩の寡黙な背中に、「おまえはアナウンサー失格だ」と言われている気がしました。


















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