テレ東・狩野アナが「モヤさま」で学んだこと 20代に伝えたい、仕事との向き合い方
自分には何が足りないのか。いまになって振り返ってみれば、当時の自分はアナウンサーとしての技術はもちろん、取り組み方や身だしなみ、普段の言葉遣いまで、足りないことばかりだったと分かります。しょっちゅうノーメイクで出社していましたし、ラフな格好ばかりしていました。アナウンサーというものが、周りから見られるものだという意識もありませんでした。
また、忙しそうな先輩方に発声を聞いてくださいと頼むのは厚かましい。けれど、自分なりに練習してみたものの、その練習方法がまったく的を射ていなかったり……。
デスクから「考えろ」と言われた次の瞬間から、自分がどうしたらいいのか分からなくなりました。
それもこれも「言い訳」だと気付いた
迷った揚げ句、アナウンス部の先輩、水原恵理さんに相談したところ、「いま、何が分からないかを伝えるのも、新人の役目なんだよ」とのお言葉。自分ひとりで、ただがむしゃらに練習をするのではなく、いま、自分がどんな段階にいて、何がわからないかを周りに伝えるのも、新人の仕事だというのです。
それまでの自分は、わからないことがあっても、上司や先輩に聞くのは申し訳ない。忙しそうな先輩たちに原稿読みを見てくれるように頼むなどというのは畏れ多い。自分のために時間を割いてもらうだなんて、とんでもない! と思っていました。
でも、結局のところ、それは自分に都合のいい“言い訳”だったのかもしれません。
「こんなこともできないのか」と思われるのが嫌で、「教えてください」の一言が言えず、分からないことがあっても、「明日聞こう」と先延ばししていた気がします。
面倒くさい新人だと思われたくない。恥ずかしい思いをしたくない。そんな変なプライドも、あったかもしれません。何もかもうまくいかないと落ち込んでいる自分に、水原さんはこうも言われました。
「うまくいくわけがないよ、新人なんだから。入って数カ月で、しかもひとりで何かをやろうと思ってはダメ。先輩は、後輩に聞かれるのも嬉しいときだってあるんだから」
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