国内350人に対して、海外1100人(パナソニック)。国内500人に対して、海外950人(ファーストリテイリング)。これは、2013年度の新卒採用の人数だ。
日本の大学生はいま、海外の大学生と職を奪い合う状況におかれている。そんな中、ついに大学教育のあり方そのものが問われ始めた。あまりに勉強しない日本の大学生に対して、海外の大学生は4年間みっちりと知的能力を鍛えられており、日本の大学生の不利が徐々に明らかになってきているからだ。
日本の大学生は本当にそれほど勉強していないのだろうか? リクルートで全国採用担当者を務めた後、様々な角度から就活にかかわり、大学教育と就職活動のねじれを直す活動を著書『なぜ日本の大学生は、世界でいちばん勉強しないのか?』にまとめた筆者が、「勉強しない大学生」の実態をレポートする。
連載第2回目――勉強しない大学生が、量産されるメカニズム
連載第3回目――大学生を勉強させる「現実的」な方法
「海外の大学生は、優秀だ」――これが25年間ずっと企業の採用活動にかかわってきた私の、偽らざる本音です。カドが立つので大っぴらに言う人は少ないですが、多くの採用担当者も同じ気持ちだと思います。
ここで言う「優秀」とは、海外の大学生が、
・すでにある知識を組み合わせて新しいことを生み出す力
・問題を分解・分析して解決策を導く力
・さまざまな新しい情報を既知の知識と組み合わせて状況判断する力
に秀でていることです。正確に言えば、こういった能力をみっちりと鍛えられている。これは、激変する昨今のビジネス環境の中で仕事をするうえで、最も必要な力です。「知的能力の本質的な部分」と言ってもいいでしょう。この点で、海外の大学生は日本の大学生よりも優れているのです。
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