アメリカと中国の場合
私「授業に出ている人は、真剣に授業を聞いてる?」
卒業生「もちろんです。事前に教科書に目を通し、理解しているはずの内容に関してディスカッションを行うので、真剣に聞いていないとついていけません」
私「居眠りしたり、スマートフォンを触ったりしている人はいない?」
卒業生「ありえません。大体、授業態度は成績に反映されます。そしてよい成績をとらないと就職で困りますから、みな真剣に授業に臨んでいます」
もちろんアメリカにも中国にもたくさんの大学がありますから、この聞き取り調査がすべてではありませんし、日本の大学でも、多くの人が真剣に聞く授業はあると思います。しかし、日本の大学のほうが、授業に出てはいるけれど授業を聞いていない学生が多いのは、どうやら間違いなさそうです。
ここまで見てきたように、勉強の成果を決める3つの要素が、3つとも海外と比べて見劣りしています。この違いが、冒頭でお話しした「海外の大学生は、優秀だ」という、私の実感となって表れたのだと考えられるのです。
大学生は勉強しなくてもいい?
このようなお話をすると、「大学生は勉強なんかしなくてもいい。もっと大切なことがある」と反論される方がいます。
そういった方には、「あなたの時代はそうでした。でも、時代は変わったんです」と言うことにしています。どういうことか、説明しましょう。
「企業は国籍を問わず優秀な人材を採用しており、すでに学生は(職を得るため)グローバル競争をしている」
2012年11月29日の日経新聞に載った、ボストンコンサルティンググループ日本代表・水越豊氏のコメントです。
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