わかっているのに「なぜか動き出せない」…。意志が弱いせいじゃない"本当の理由"

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(写真: jessie/PIXTA)
今のままではいけないと感じていながらも、なぜか体が動かないという人も多いのではないでしょうか。
明治大学教授の堀田秀吾氏によると、それは意志が弱いせいではなく、「動きたい心」と「動けない脳」がせめぎ合っている、ごく自然な状態だそうです。
本記事は、世界中の研究や論文から「動けなさ」の正体を読み解いた堀田氏の著書『とりあえずやってみる技術』より、一部抜粋・編集のうえお届けします。

「失敗=悪いこと」という誤解を解く

できるだけ失敗はしたくない。そう思うのは自然なことです。

誰だって恥をかきたくないし、できれば他人から悪く思われたくはない。ましてや、評価が下がるようなことは極力避けたい。そうして私たちは、知らず知らずのうちに「失敗=悪いこと」という考え方を内面化してきたのです。

学校教育の影響は、その代表格かもしれません。テストでは減点方式で間違いが記録され、通知表では「どれだけできなかったか」が評価の軸になります。

「失敗しないようにすること」が、良い子でいることの条件になってきた環境では、挑戦よりも回避のほうが安全であり、「できなかった経験」は避けるべきものだという印象が強く残って当然です。

実際、ペンシルベニア大学のセリグマンが提唱した「学習性無力感」の研究では、繰り返し失敗を経験し、それを自分の能力のせいだと感じると、人はやがて挑戦そのものを諦めるようになることが示されました。

逆に言えば、失敗を「能力の欠如」ではなく、「過程の一部」として捉えられるようになれば、挑戦を続けるエネルギーを取り戻すことができるのです。

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