わかっているのに「なぜか動き出せない」…。意志が弱いせいじゃない"本当の理由"

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こうした研究や実践の蓄積が示しているのは、失敗を減らすよりも、失敗から立ち上がれる仕組みを持つことのほうが、人生においてはるかに重要だということです。「一度も転ばない人」よりも、「何度も転んで、そのたびに起き上がってきた人」のほうが強くなることを科学的に示しているのです。

失敗することで学び、立ち上がり方が身につく

失敗こそが学びと成長の起点になるということは、多くの研究からわかっています。

たとえば教育心理学では、エラー・ベースト・ラーニングという考え方があります。これは、人は間違えることでより深く学べるという理論です。

失敗したときのほうが、「なぜうまくいかなかったのか」を考え、記憶にも残りやすくなるため、学びの質が高まるのです。

また、先ほどお伝えしたレジリエンスは生まれつきの性格ではなく、失敗や挫折を経験し、それを乗り越える過程のなかで育っていくとされています。

つまり、失敗すること自体が、立ち上がる力を養う「練習」になっているのです。

たとえば、小さなころから何でもうまくこなしてきた人ほど、大きな壁にぶつかったときに立ち直れず、自己否定に陥ることがあります。

反対に、何度も失敗しながらも、それを受け止め、工夫しながら前に進んできた人は、予想外の出来事にも柔軟に対応できる強さを持っています。

この違いは、脳科学的にも説明されています。

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