授業の質も低い
日本の大学生が勉強に費やす時間が短いのは、どうやら間違いなさそうです。でも、勉強の成果は、費やした時間だけで測れるものではありません。私は、勉強の成果は、以下の掛け算で表すことができると考えています。
勉強の成果=①費やした時間×②授業の質×③真剣度
先程お話ししたのは①の費やした時間の話です。では次に、2番目の「授業の質」について見ていきましょう。
同じ90分でも、学生が聞いていようと聞いていまいと一方的に進めるような授業であれば、そうでない講義に比べて、勉強の成果は大変低いものになります。では、日本の大学生は、どんな授業を受けているでしょうか?
それを知るため、首都圏の有名大学(一橋、早稲田、慶應、立教、上智)に通う3、4年生に、実際にどのような授業があるのか聞き取り調査をしてみました。また、比較対象としてアメリカのカリフォルニア大学サンディエゴ校、ポートランド州立大学、ハワイ州立大学の卒業生と、中国の復旦大学(北京大学と並び称される名門校)の卒業生にも、同様の話を聞きました。
結論から言うと、日本の大学では、以下のような大変残念な授業が多くある一方、アメリカ・中国の大学ではこのような授業はまったくありませんでした。
日本の大学にしか見られない残念な授業の例
・毎回先生が教壇で自分の教科書を読んでいるだけ
・シラバスの内容とは関係のない自分の好きな話題をただ話している
・出席だけすれば60%の成績がもらえるのでただ座っていればいい(単位が取得できる最低限の成績が60%)
もちろん、日本の大学でも、すばらしい授業をされている先生方はたくさんいらっしゃいます。しかしながら、今回話を聞かせてくれた中で日本の大学生だけが(そして日本の大学生の全員が)、このような授業があることを証言してくれたのも事実なのです。
真剣に授業を聞いている大学生は1割以下
次に、勉強の成果を決める3つ目の要素、「真剣度」について見ていきます。
同じ授業を受けていても、学生が真剣かどうかで、勉強の成果は大きく変わります。日本の大学生は、どれくらい真剣に授業を受けているのでしょうか? こちらも、同様の聞き取り調査を行いました。
日本の場合
私「出席を取る授業で、授業に出ている学生は何をしているの?」
学生「6~7割はスマートフォンを触っています」
私「真剣に授業に取り組んでいる学生はどの程度かな?」
学生「正直、前方に座っている人たちだけなので、全体の1割以下じゃないですかね」
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