もはや御三家にあらず?どうする武蔵! 武蔵高等学校 梶取弘昌校長に聞く

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長らく私学男子校の筆頭として、磐石の地位を築いてきた開成麻布、武蔵の御三家。だが、徐々に状況は変わりつつある。今、中学受験業界では前回の連載で登場した駒場東邦が新たな御三家、武蔵は御三家にあらず。そう言われるようになりつつある。
今、武蔵に何が起きているのか。武蔵高等学校・中学校、梶取弘昌校長に話を聞いた。

武蔵は本当に御三家ではなくなったのか?

――中学受験業界からは「武蔵は御三家ではなくなった」とシビアな意見もありますが、いかがでしょうか。

その話は耳にします。ですが、武蔵側から「わが校は御三家だ」と自称したことはありません。たぶん塾業界や中学受験業界で勝手につけられた名称ですよね。それにその呼称も東大合格者や医学部の合格者などの実績にのみ着目してつけられたものだと思います。

――東大合格者の人数が減少しているのが原因でしょうか。

そうかもしれません。でも、東大合格者のみで中学、高校を語るのは違うのではないでしょうか。武蔵には京都大学に合格した生徒の中には東大に合格する実力を持っている生徒も多くいます。ほかには慶応や早稲田などの上位校の推薦で入学する生徒たちを見て、「東大を受験すれば入れるのに……」と思うことがあるのも事実です。ですが、学校が強制して志望校を決めさせるような進路指導はしていません。

――入学希望者や保護者の傾向は変わりつつありますか?

ええ。変わってきています。最近は、受験希望者のお母さんの間に、「武蔵に入るとだらしなくなる」とかいううわさが流れているからだと思います。どうしてそういううわさが流れているのかわかりませんが。おそらく武蔵の「自由な」校風が誤解されて伝わっているのだと思います。勝手なイメージで、「私服、茶髪だからだらしないし、面倒見も悪い」。そういうイメージがついてしまっているとすれば、残念なことです。

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