もはや御三家にあらず?どうする武蔵! 武蔵高等学校 梶取弘昌校長に聞く

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保護者の方の中には、「補習を制度として取り入れてください」と言う方もいますが、それはしません。すぐに義務化して、生徒のやる気もなくなって、形骸化しますから。

ですが、個別で面倒は見ています。武蔵には1学年170人程度しかいません。麻布、開成と比べると半分くらいしかいない。だから、生徒一人ひとりに目が行き届きやすい。生徒の習熟度が未熟であった場合、きちんと個別補習は行っています。武蔵は意外と面倒見はいいんですよ!

その点、他校は保護者へのアピールが本当に上手だと感じます。生徒の暮らしぶりを書いた学級日誌を保護者に渡したりして、「丁寧な面倒見」を掲げているようです。でもそういうのは「学問」や「教育」とは遠いですし、子供の自立を阻害する要因でしかない。というか、そもそも大学合格にすら関係ないと思います。

親からすれば受験勉強をして、いい大学に行ってほしいと思うのは当然だと思いますが、必ずしもその選択が正解だとは思いません。生徒には無限の選択肢、可能性が広がっているんです。

――受験ばかり考えて6年間を過ごすのはもったいない、と各進学校の先生はおっしゃいます。

私も同じ意見です。生徒によく話す、私自身のことなのですが、私は武蔵のOBで、進学したのは東京芸大です。当時、武蔵から芸大に行く生徒なんてまったくいませんでした。しかも2年も浪人しましたし。親が医者だったものですから、非常に怒られました。当時は「お先真っ暗」という気持ちでしたが、今となっては、「そういう時期があってもいいのでは」と思っています。たぶん、そういうことを言うから保護者から怒られるのかもしれませんね(笑)。

学問とは「遊び」があるもの

――いえいえ、私も1年くらいの浪人はいい経験になると思います。学校としてどのような教育をしていますか? 自由な校風というのは有名ですよね。 

生徒に考える力を養ってほしい、中学受験まで続けてきた「詰め込み型」の勉強を変えてほしいんです。そのために武蔵では「本物」の教育に触れられる環境を整えています。

よく「自由な校風」と言われますし、制服もないし、髪を染めるのも自由です。ですが、誤解してほしくないのは、武蔵の掲げる「自由」というのはそういうところに主眼があるわけではありません。「武蔵の自由」とは「学問に対する自由」です。

本来、学問というのは少し「遊び」の部分があるべきだと思います。だから、多少無駄なことや遠回りをすることもあるかもしれないけれど、本物の教育に触れさせたいと思っています。教育のモットーとして「本物教育と自調自考」というのを掲げています。自分で調べて身に着けたことこそ本物ですし、そういう教育環境を学校としては整えています。

武蔵が力を入れいるのが理科の授業、クラスの全員に器具が行き渡る
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