東大との最大の違いは、模範解答がないこと
前回まで、東大と米国トップ大の入試の違いを述べてきた。端的にまとめると、東大は先を見通せる状態で、高い処理能力が問われ、米国トップ大は先が読めない状態で、不確実性に挑戦する能力が問われる。また東大は、「教科書や参考書の中にある誰が見ても正しい解答」を表現しないと合格できないが、米国トップ大は、「自分の中にある自分らしさ」を表現しないと合格できない。
その象徴が、米国トップ大の必須課題「Personal Essay」だ。このエッセイについて、もう少し詳しく解説しよう。
米国トップ大の受験生の多くは、合格した先輩がどんなエッセイを書いたのかを見たがる傾向がある。しかし、海外トップ大進学塾「ルートH」ではそれは意味がないものと考えている。
合格者のエッセイの傾向を把握したところでいいものが書けるわけではないし、先輩の体験や価値観は自分自身のそれとは違うので参考にならないからだ。それでも合格者のエッセイを見せてしまうと、生徒たちはマネしようとするだろう。その瞬間に、米国トップ大が知ろうとしているその生徒固有の〝らしさ〟が失われてしまう。
最終的な合否を決める重要なエッセイに対して模範解答がない。これが東大入試との最も大きな違いだ。
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