ハーバード卒であらずんば、人にあらず!? エリートが築く「学歴ブロック経済圏」

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバル エリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを 縦横無尽につづる。
ビジネススクールのトップに君臨するハーバード。グローバル金融界は、右を見ても左を見ても、ハーバードMBAホルダーであふれている(写真:Bloomberg via Getty Images)

「ムーギーさん、もう連載コラムのタイトル決めていいですか?”エリートが見た内幕“みたいなのどうでしょうか?」

「そのタイトル、センスないわ。そもそも業界にまだいる人間が、内幕書いてしまったら、それで信用ガタ落ちでしょ。というか、連載コラムを書く時点で“本業に集中しとんのか”と怒られるのに……。まあ、でも内幕暴露系の内容でないと、読者のみなさんも関心を示してくださらへんかなあ。そや、“グローバルエリートのミタ”ってどうや? なんか最近、日本ではやったドラマあったやろ?」

「それ面白いですね。いただきです。でもムーギーさんは三田さんではないので、“グローバルエリートのミタ”ではなく“グローバルエリートは見た!”でどうですか?」

「うーん、それにしても絶対そのエリートって入れなあかんか? 俺は別にエリート違うねけどな……」。

この一連の会話は、『東洋経済オンライン』のページビューアップに燃える新米編集長との間で、本コラムのタイトルを決めるために交わされたものである。

ダウンタウンと林家こぶ平の違い

私自身は全然大したことないのだが、いわゆるエリートとされる業界を幅広く経験する幸運に恵まれてきたので、確かに周囲には 「この人はエリートやな」と思わせてくれる人が多い。ところでぼんやりとしたイメージで使っている、この“エリート”という言葉だが、そもそも“エリート”とはいったい何だろうか?

コンサルや金融にかぎらず、自分自身が輝ける、いちばん世の中に貢献できる分野で新しいビジョンを示し、指導的な貢献を果たす人を言うのだろうか。

たとえば、お笑いのダウンタウンは一昔前、社会になかったお笑いの形を世に問いかけて浸透させたので私は尊敬しているのだが、彼らは “選ばれた”イメージより、新分野を切り開いて“選ばせた”リーダーという感じだ。

これに対して、たとえば林家こぶ平(現在は林家正蔵)は、世間様からはお笑い界のエリートとみなされている。(ホンマか?と思われる方もいらっしゃるだろうが、本文の構成上仕方ないので見逃してほしい。)

そこで、今回は本連載コラムのタイトルでもある“グローバルエリート”とは何かというテーマで、敬愛する読者のみなさんと共に考察してみたい。

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