「パワハラと呼ばれたくない」…、注意できない上司が急増中? 部下を放置せず成果を引き出す「安全な」指導術

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部下と上司
「普通に接していたなのに、なぜか部下からパワハラと訴えられて……」。パワハラと言われるのを恐れ、注意できない上司が増えています(shimi / PIXTA)

「なぜ部下に注意ひとつできないんだ……」

パワハラと言われることを恐れ、部下への指導を避ける上司が増えている。実際にパワハラを指摘された経験があれば、なおさら臆病になるだろう。

しかし部下に指導することなく、"放置"すれば、成長の機会を奪うことにもなる。組織の生産性も下がる。パワハラを恐れる上司が、部下と安全に向き合う方法はあるのだろうか?

「放置」という名の職務放棄

ある医療器具メーカーの課長はもともと技術畑で、黙々と仕事をこなすタイプ。実直な仕事ぶりが評価され、管理職に昇進した。過去に彼がデータに基づいて提案した業務改善が、部の生産性を大幅に向上させた実績があり、部長からの信頼は厚かった。

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しかし課長自身には対人能力にコンプレックスがあった。実際、部下への指示がぶっきらぼうになりがち。そのせいか、あるとき「(課長の)言い方がキツい」と人事部に相談が入った。幸い、その部下は異動して事なきを得たが、課長の心には深い傷が残った。

「自分には部下を指導する資格がないのかもしれない」

そう思い悩んでいた4月、新しい部下が2人配属されてきた。2人とも20代の若手社員だ。「勘弁してくださいよ」と部長に進言したが、聞き入れられない。

「どうもクセが強い2人のようだ。もし問題を起こしたら、遠慮なく言ってくれ」

部長にそう言われ、さらに憂鬱になった。

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