
「正直、部下の教育なんてAIに任せたい……」
最近、よく聞く管理職の本音だ。1on1ミーティング、ポジティブフィードバック、モチベーション管理。どれも時間がかかるうえに成果が見えにくい。生成AIがこれだけ進化しているのだから、いっそ部下育成もAIに任せられないか。
そこで今回は、この考えがなぜ危険なのかを解説する。部下育成に悩む管理職は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。
AIが奪う仕事、奪えない仕事
あるアメリカ企業の試算が衝撃的だ。
「従業員の約40%をAIに置き換えれば、利益率は大きく改善する」
これは遠い未来の話ではない。すでにAIエージェントと呼ばれる技術が、調査から要約、文書作成、評価、修正まで自律的にこなせるようになってきた。
営業研修もVRゴーグルで完結できる時代が近づいている。仮想顧客との商談、困り事のヒアリング、提案、反論処理、見積もり提示――。すべて事前にシミュレーションし、高度に検証することが可能になるだろう。
立教大学理学部ではAIエンジニアリングを核にした教育が始まった。SCSKのような企業は、AI活用を前提とした業務設計を経営課題に位置づけている。
2025年9月9日の日経新聞のコラム「AIが変える人材育成」(注1)によれば、若手の定型業務は確実に消えていくという。
データ入力、資料作成、議事録作成、スケジュール調整。これまで新人が担ってきた「下積み仕事」がAIに置き換わる。ではAIがすべての仕事を奪うのか?
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