「また『特にありません』か…」Z世代との1on1が"虚無な15分"で終わる上司が根本的に間違っている理由

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Z世代との1on1が失敗する上司には、共通する勘違いがある(写真:Lukas/PIXTA)
Z世代との1on1が失敗する上司には、共通する勘違いがある(写真:Lukas/PIXTA)

なぜ最近の若手は「特にありません」しか言わないんだ……。

ある化学薬品メーカーの部長から相談を受けた。有名大学出身で、本人なりに熱意も感じられる期待の若手社員と毎週1on1ミーティングを実施している。ところが、どんなに「何でも話して」「傾聴するから」と言っても、しばしば15分ほどで終わってしまう。「心理的安全性の高いチームを目指している」と伝えても、返ってくるのは「特にありません」の一言だけだ。

そこで今回は、Z世代との1on1ミーティングが空回りする原因と、効果的な話し方について解説する。部下との面談に悩んでいる管理職は、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

傾聴だけでは何も生まれない現実

「何か困っていることはない?」

「遠慮しないで何でも話してくれていい」

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こうした問いかけに対して「特にありません」と答える若手を見て、多くの上司は「やる気がないのか」「問題意識が低い」と嘆く。

だが、それは若手だけの問題ではないかもしれない。

相手に知識もスキルも経験もないのであれば、「何か困っていることがあるか」と聞いても答えようがない。なぜなら、本当に「特にない」からだ。

コンサルタント時代、私も同じような状況を目の当たりにした。入社1年目の若手コンサルタントに「今のプロジェクトでわからないことはないか?」と聞いても、「特にありません」と答えることが多かった。だが実際には、クライアントとの打ち合わせでは何も発言できず、資料作成でも手が止まっている状態だった。

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