「また『特にありません』か…」Z世代との1on1が"虚無な15分"で終わる上司が根本的に間違っている理由

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(3)提案する

これは、最も具体的なアプローチだ。実際の行動や方法を明示する方法である。

「今日は一緒にこの案件を整理してみよう。30分時間を作ろう」

「まずはここから始めてみない? スケジュールに入れよう」

「来週までに、このテーマについて調べてみてもらえるか」

提案の特徴は、相手が実際に行動できる具体的な内容を示すことである。曖昧な指示ではなく、期限や方法まで含めて明確に伝える。

これら3つのアプローチを使い分けることで、経験の浅い相手でも建設的な対話ができるようになる。段階的に示唆から助言、助言から提案へと進めることで、相手の成長レベルに合わせた指導ができる。

経験なくして成長なし

根本的に理解すべきなのは、実際に経験しなければ何も生まれないということだ。

上司として「Will×Skillマトリクス」を頭に入れておこう。やる気(Will)と能力(Skill)の2つの切り口で部下を分類する手法だ。やる気が高いか低いか、能力が高いか低いかという2軸で部下を評価する。

(1)やる気が高く、能力も高い部下
(2)やる気が高く、能力は低い部下
(3)やる気が低く、能力は高い部下
(4)やる気も能力も低い部下

この4つのカテゴリーに部下を分類することで、適切な指導法を選ぶのである。

まだ経験が足りないのであれば、(2)やる気が高く、能力は低い部下に該当するだろう。このような若者には、傾聴よりもまずティーチングで具体的な知識やスキルをインプットすることが有効な場合が多い。

新入社員や若手は、まだ失敗も成功も経験していない。だからこそ「困っていること」も「相談したいこと」もない。それを「やる気がない」と決めつけるのは、早計かもしれない。

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