つまりこの若者は「わからないことは?」と言われても「わからないことがわからない」状態であった。コンサルタントとして学び、経験を積まなければ、的確な質問や相談は生まれにくい。このことを上司は理解する必要があるだろう。
上司が陥りがちな4つの勘違い
Z世代との1on1で失敗する上司には、共通する勘違いがある。
(2)経験のない相手に経験者と同じレベルの問題意識を求めている
(3)相手の状況を理解せずに一方的なアプローチを続けている
(4) 1on1の機会を作れば、本音を話してくれると思い込んでいる
これらの勘違いの根本にあるのは「自分視点」。相手視点がないのだ。相手がどんな状況にあり、何を必要としているかをしっかり洞察し、把握しようとしていない。
とりわけ、1on1という場を設けただけで部下が本音を話すと思い込んでいる上司は多い。それは大きな誤解かもしれない。Z世代にとって重要なのは「話すメリット」を実感できるかどうか。ただ聞いてもらうだけでは意味がない。話したことが実際に何かにつながる、という手応えが不可欠だ。
そのために「逆・報連相」を試してみてはどうか。普通の報連相は、部下から上司への情報共有だ。逆・報連相はその反対で、上司から部下へ進捗報告する。
たとえば、部下が以前に提案したアイデアについて「君が提案してくれた件、役員会で検討することになった」「あの改善案、他部署でも参考にしたいと言ってきている」といった具合に、その後の進捗を積極的に報告する。
そうすることで、部下は「この人に話すことには意味がある」「自分の意見がちゃんと活かされている」と実感できるだろう。結果として、次回の1on1では以前よりも自発的に話をしてくれる可能性が高まる。
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