女子学院の生徒は「言うべき時は言う!」 女子学院中学校・高等学校 風間晴子院長に聞く

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今まで男子校の中高一貫校の校長にインタビューしてきた本連載。今回からいよいよ女子中高一貫校にインタビューを行う。中高6年間を男子校で過ごした記者は女子校に足を踏み入れたこともないし、ましてやどんな校風かも知らない。
だが、女性の社会進出が進む中、女性を育てる教育機関としての女子校は注目度を増す一方だ。女子校ではどのような生徒の育て方をしているのか、まずは御三家の一角、女子学院の風間晴子院長に話を聞いた。

女子学院の校風は?

――あの、私は中高6年間を男子校で過ごしたので、女子学院がどんな校風か、ということはあんまりわからないのですが……

なかなか女子校の校風はわからないですよね。では、「もし道に空き缶が落ちていたら……」という話もご存じない?

――いえ、どんな話なんですか?

よく言われる、女子御三家、桜蔭学園、雙葉学園、女子学院の校風を表した話です。もし道に空き缶が落ちていたら、桜蔭生は「本を読むのに夢中で缶が落ちていることに気づかない。」雙葉生なら「そうっと拾ってゴミ箱に捨てる」。

じゃあ女子学院生は、と言えば、なんだと思います?

 「その空き缶で缶蹴りを始める」って言うんです(笑)

――キレイな三段落ちのような話ですね(笑)。自由な校風ということなんでしょうか。

ええ。女子学院には制服もありませんし、「すべし」「べからず」と生徒を縛り付ける決まりもありません。ただ、4つの校則(1.女子学院のバッジをつけること、2.校内では上履きを履くこと、3.校外活動は届けを出すこと、4.学校にいる間は無断で外出しないこと)があるだけです。

その言葉のとおり、女子学院には制服がない。取材中、案内された校内には髪を半分だけ金髪に染めた生徒もいる。基本的に生徒の行動には口出しをせず、「見守る」ことが女子学院の基本的な教育方針だ。

こうした女子学院の源流は矢嶋楫子(やじま かじこ)初代女子学院院長にあるのでしょう。彼女は「肥後の猛婦」と呼ばれたほど、エネルギッシュな人物で、当時の女性としては破天荒とも言える人生を送った人です。

故郷の熊本から上京して、婦人参政権を求めて、エネルギッシュに活動しました。キリスト教に入信して教育者としての道を歩むようになってからは、聖書による自主自律を提唱しました。女子学院の院長就任後、74歳にして渡米し、ルーズベルト大統領と会談、女性活動家としても名を馳せていきます。こうした気風が今の女子学院を形作っています。

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