女性はなぜ出世すべきなのか? 出世することの2つのメリット

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男女雇用機会均等法の施行から27年が経ち、ビジネス界で女性と男性が競うのは当たり前になりつつある。しかし、他の先進国と比べると、日本の女性管理職の比率は低いままだ。「なぜ女性は出世できないのか」「どうすれば女性は出世できるのか」――。『抜擢される人の人脈力』の著者である岡島悦子プロノバ社長が、自らの半生やヘッドハンターとしての経験を基に、 出世のために知っておくべき掟をつづる。

ヘッドハンターとして感じること

女性が生涯にわたって働くことが当たり前になってずいぶん経ちました。「結婚した女性は寿退社するもの」という時代もあったことを思えば、ずいぶん変わったものだと思います。

しかし、わが国では女性の管理職や経営者はまだまだ少ないのが現状です。世界経済フォーラムがまとめた2012年の男女平等ランキングによれば、日本はなんと135国中101位。ほかの先進国に比べ、企業幹部に女性が少ないことが響いているようです。多様性が受容されている組織からはイノベーションが生まれやすいという観点から考えても、これは意識的に改善されていくべき課題だと思います。

私はもともと仕事においては男も女もないと思っていますし、「女性(男性)というのは、こうだ」というように、性別で決め付ける考え方が好きではありません。性別の差異を語る前に、ビジネスへの「プロフェッショナリズム」ということが求められていると思っています。

しかしヘッドハンターの仕事を通じて働く女性たちを見ていると、男性社会の暗黙の掟を単に知らないというだけで、機会をつかみ損ねたり、つまずいたりしているケースがあまりにも多いように感じます。

「オヤジ社会の掟」を知らない

本来は女性にも、いわゆる「出世」ができるだけの能力は絶対にあります。ただ、まだマネジメントレベルで働く女性の数が少なく歴史も浅いために、「感情が高ぶったときこそ低い声でゆっくり話すべきだ」とか、「プレゼンのときはダークスーツを着るべきだ」とか、そういう小さな決まりごとを知らないだけで損をしている方が多いようです。

こういうことは誰かが教えてくれればラッキーだけれど、周囲の人たちは「あなたが知らないということを知らない」ので、教えようがないのではないかと思います。

私自身は24年間のビジネス人生の中で、ラッキーなことに周囲にすばらしいメンターが多く、失敗しながらもたくさんのことを教えていただいてきました。

ただ、マネジメントレベルの仕事をするようになって初めて気づいた「オヤジ社会の掟」が多々あります。そしてその知識の欠如が「ビジネス上の信頼貯金」不足を招いていたのではないかと思い当たるフシがいくつもあったのも事実です。

そこで私の知っている範囲で伝えられることは広く伝えたほうがいいと思い、この連載を始めることにしました。私もまだまだ悩みも多く、また修行中の部分もあるわけですが、最近特に経営者の方々からのご相談の多い「なぜ女性は出世できないのか」「どうすれば出世できるのか」ということをはじめ、女性と仕事にまつわる諸問題について、皆さんと一緒に考えていければと思っています。

この連載の内容は、縦社会での付き合いが減少している若手男性の方にとっても、いくつかの気づきがあるかもしれません。加えて、「女性の活用が急務にもかかわらず、ウチの女性は出世したがらない」とお悩みのマネジメント層の方にも、何らかのヒントをご提供できれば幸いです。

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