女性はなぜ出世しないのか 悪いのは男?女?
男女雇用機会均等法の施行から25年。新卒採用では、男女が区別なく競い合うようになった。だが、女性が昇進し、男性と対等な地位を確立したわけではない。日本の女性管理職比率は約10%。これは韓国と並び世界最低レベルだ。
なぜ日本では、女性の管理職がこうも少ないのか。
大きな理由は、そもそもの母数が少ないという点にある。均等法第1世代は現在、40代後半。この世代が入社した1980年代、女性総合職の採用は極めて少なかった。
たとえばヘッドハンターの岡島悦子・プロノバ社長は、均等法3期生として三菱商事に入社したが、当時の同期150人のうち、女性はわずか2人にすぎなかった。「女性が出世できないのは、そもそも役員になるための母集団にいないことが大きい」(岡島氏)。
しかも、その後のいわゆる「氷河期世代」では、男女問わず総合職の採用数が少なかった。つまり、そもそも管理職候補となる30代以上の女性総合職が少ないのだ。
男性中心社会が女性の意識をくじく
ただし、問題は女性社員の数だけにあるとはいえない。それ以外にも女性の活躍を阻んでいる要因がいくつもある。
まずは女性の意識の問題だ。日本生産性本部が3000社に行った調査によると(有効回答129社)、女性活用を推進するうえでの課題として、7割以上の会社が、「女性の意識」を挙げている。
その具体例の一つが、女性社員の昇進意欲の乏しさだ。出産・育児とキャリアとの両立の難しさ、ロールモデルの不在などもあり、女性にとって、今の職場環境で出世することは魅力に欠ける。昇進チャンスがあっても、断る女性も多い。