女性はなぜ出世すべきなのか? 出世することの2つのメリット

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出世すると、たくさんの情報にアクセスできる

具体的にいえば、出世することの利点は2つあります。まず1つは自分が意思決定者になって、たくさんの選択肢の中からこれだというものを選べるようになるということ。

もう1つは、たくさんの情報にアクセスする権利が持てるということです。できるだけたくさんの情報を基に意思決定したほうが判断を誤りにくくなるのは当然でしょう。

「意思決定ができる」とは、別の言い方をすれば、他人が下した意思決定に左右されないで済むということでもあります。多くの女性たちは、難しいことは誰かに決めてもらって、それに従うほうが楽だと思っているところがありますが、でもそれは違います。

たとえばあなたが製薬会社の研究所に勤めていて、精魂込めて新薬開発に取り組んでいるとしましょう。ところがある日突然、上層部が、「その新薬は完成したところでそれほど儲からないだろう」という理由で、開発を中止すると言ってきました。

その薬をどんなに待っている人がいるか、それがどんなに世の中の役に立つかを知っていて、説明できるのはあなただけ。しかしあなたはヒラ社員なので、社内で発言権がないに等しく、それにノーと言えないとしたらどうでしょう。上司にプロジェクト継続を訴えても、「上が決めたことだから」とスルーされてしまいます。

出世すると、選挙権が得られる

しかしあなたが多少なりとも、社内で高い地位にいたとしたら、話は違ってきます。プロジェクトが中止されるかもしれないという情報は早めに耳に入ってくるし、それが本決まりになりそうになったら、経営の意思決定の場で自分の意見を言うこともできるのです。社内での地位が低いばかりに、意思決定の場にいられないとしたら、こんなに残念なことはありません。

もちろん組織全体で話し合った結果、希望が通らないこともよくあります。でも仮にそうだとしても、意に沿わない案件については反対の意を表明できるとか、その案が意思決定の俎上に載ったことを知っているというだけでも、すごく意味のあることです。

つまり選挙権がなければ、政治に文句を言いたくても言う方法すらない。しかし選挙権があれば、少なくとも一票を投じることはできます。出世をするということは、選挙権を得るようなものです。いい仕事をするためには、まじめにコツコツやるだけではなく、権力を持って、権力者同士の話し合いの「場」に上がることもまた必要なのです。

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