女子学院の生徒は「言うべき時は言う!」 女子学院中学校・高等学校 風間晴子院長に聞く

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――なるほど、生徒の自主性に任せるという自由な校風ですが、女子御三家として、高い大学合格実績も誇っています。その要因はどういうところにあるのでしょうか。

自由な校風とは言いますが、勉強面では厳しいと思います。きっちり宿題は出しています。夏休みや冬休みなどの長期休暇も「ただでは休ませない」と感じるほどの量が出ます。その内容も、多くが自分で調べて書かせるようなものです。中3では「第2次世界大戦を経験した人にインタビューをして、物語調にまとめる」という課題を出しています。高1でも広島に行って、体験をレポートにまとめます。

理科の授業は大学のゼミのよう

理科の授業でも座学と実験を交互に行っていますが、実験の後には毎回レポートを提出させています。そのレポートも毎回添削されて、真っ赤になって戻ってきます。大学のゼミみたいな感じですね。

女子学院では天体観測も盛んだ

効率的に知識を獲得していくことは、大学受験を見据えれば確かに必要なことかもしれません。もちろん、「簡単でわかりやすい」授業も大切です。ですが、「わからない」ときにすぐに正解を教えずに「わからない、知りたい」と生徒に思わせることも大切だと思います。知識偏重の勉強ばかりでは、「頭の柔軟性」がそがれてしまうということもあるんです。その例をお見せしましょう。たった1枚の画像でその人の頭の柔らかさがわかることがあるんですよ。ほらほら、カメラマンのあなたも座って座って! 

風間教授の白熱教室、はじまります 

聞くところによると、風間先生は科学雑誌『ニュートン』の宣伝用に400万部作成された第0号のカバーページに注目の女性科学者として登場しており、いわば女子学院スピリットの体現者と言える。国際基督教大学(ICU)で生物学の教授として教鞭を執り、東大でも講義をしていたことがある。院長室が突如、講義室に変わった。一方の記者も頭の柔らかさには多少の自信がある。「知の競争」、受けて立とうではないか。

 まず、これを見てください。何に見えますか?

フランシス・クリックの著書「the astonishing hypothesis the scientific search for the soul」から引用

記者:Yとか矢印とか、なんか無茶苦茶に並んでいるように見えます。

カメラマン:か、亀の甲羅とか?

じゃあ、これに補助線を入れてみましょう。そうすると意外や意外、まったく違うものが見えてくるんですよ。

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