女子学院の生徒は「言うべき時は言う!」 女子学院中学校・高等学校 風間晴子院長に聞く

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女子学院の教育でも同じことが言えると思います。今も盛んに、教育界では「グローバル化・国際化」というのが、叫ばれています。どの学校もとにかく英語教育にばかり傾注しましたが、「英語を話せるから国際人」というわけではありません。真の国際人であるためには、日本に関する文化、歴史的な知識も必要ですし、論理的な思考を求められる今の時代、物理も数学の学びも必要です。だから、どんなに環境が変わっても、自信を持って貫いてきた「女子学院らしさ」を大切にしていこうと思います。

「言うべき所では、はっきり言う」それが女子学院らしさ

――生徒を見ていて女子学院らしさはどういうところにあると思いますか?

授業風景によく表れているかもしれません。女子学院の授業をご覧になっていただければわかると思いますが、先生の言われたとおりの「お勉強」をする生徒はあまりいません。授業はとてもにぎやかで、先生が何かひとつ言えば、みんな「質問!」や「ここはおかしいと思う!」と、次々と手を挙げて非常に活発な議論の場が展開されます。逆に、あまりにも先生の言うことを素直に聞きすぎるような大人しい授業になると、「あのクラスは大丈夫か??」と心配になるほど、女子学院の授業はにぎやかなんです。

こういう授業を6年間受けていると、なんでも物おじせずに自分の意見をはっきり言える、「主張が強い生徒」が多くなると思います。「言うべき所ではいうべき事をきちんという」。裏を返せば少し「我が強い」生徒が多い印象もあります。ですから、社会に出て「女のくせに生意気だ」という声もあるようです。そういうところが女子学院らしさであるとともに課題かもしれません。ですが、そういう逆風をはねのけて女性は社会進出をしてきた経緯があります。

そのせいか、女子学院のOGには「女性初」の人が多いんですよ。例えば臨床医の今井通子氏は女性として初めてマッターホルンに登頂した登山家です。そのほかにも、日本初の女性航空整備士や朝日新聞初の女性カメラマンなどです。先程、お話しした矢嶋院長も「矯風会」という日本で最も古い婦人団体を創設しました。

これからの日本ではますます女性が進出していくことと思います。その時に物おじせずに大胆に意見を述べることができる女性としてのパイオニア、それが女子学院生なのかもしれません。

(撮影:今井康一)

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