もはや御三家にあらず?どうする武蔵! 武蔵高等学校 梶取弘昌校長に聞く

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でもこうした取り組みには理解を示してくれない保護者もいます。

もし、このまま入学者が減少して、全体的なレベルが下がってしまうと、そういった応用的な学習もできなくなる。基礎学問が未熟なうちに、いくら「本物教育だ、留学だ」と言ったところで意味はないわけです。そういう点で、この自由な校風、教育方針を保つためにも、大学合格実績を上げなければ、というジレンマは抱えています。

「型があるから型破り」なんです

――でも生徒さんを見ていると、とてものびのびと学生生活を満喫しているように感じます。彼らの課題はどこにあると考えていますか。

生徒の中にはわが校のモットーである「自調自考」を誤解してしまう生徒がいることですね。中学1年、中学2年では自調自考なんて言ってもできるはずがないんです。勉強というのは基礎知識がきちんと身について初めて応用のステージに進んでいくものです。なのに「自分で全部考えました」という生徒が出てくる。それって単なる独り言でしょう? 基礎がない人間にクリエイティブなことは期待できない。「型があるから型破り」なんです。「型」がないところには何もありません。ただ無秩序なだけです。

よく「個性を大切にしよう」とか言いますが、個性を大切にする前にまず、ストックはあるのか、基礎は作ったのか? ということを問いかけたいですね。基礎も何もないのに個性を大切にしろといってもそれは単なるわがままです。

――その基礎から応用段階に移って花開くのが高校3年生という時期でしょうか。

いえ、学問というのはそう簡単に花開くものではありません。一生かけて究めていくべき大きな問題だし、だからこそ面白くてやりがいのあることだと思います。武蔵の部活動では太陽観測部という部活があります。その部活のOBでは3人ほどJAXAの中枢にいます。彼らの原点は武蔵での部活動です。高校時代に部室で遊んでいたら宇宙に興味を持って勉強を始めて、大学に行っても研究を続けて、気づいたら「はやぶさ」の打ち上げに携わっていた。こういう風に「学問の遊び」の部分から勉強することの面白さをきっかけにして自分のやりたいことを見つけてくれたら理想ですね。

これからの武蔵どう変わる??

――なるほど。昨今では都立の台頭など、受験業界も徐々に変わりつつあります。これからの武蔵はどう変わりますか。

難しい質問ですね。でも武蔵らしさは残しつつも、確実に変わりますよ。

――それはやっぱり、大学合格実績の話ですか?

そうですね。これから絶対に巻き返していきます。まずは現役合格で実績を残します。期待していてください。

(撮影:尾形文繁)

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