「AIにES(履歴書)を書かせる就活生が急増」それを“けしからん”と言う人のほうが間違い…《AIに経歴を"加工"させる》学生が優秀であるワケ

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若者
最近の就職活動では、AIが必要不可欠となっているようです(写真:今井康一撮影)

2026年卒の新卒採用も一段落。早くも2027年卒を対象とした採用活動が始まっているが、今年度、人事界隈からよく聞こえてきたのが「ES(エントリーシート)をChatGPTに書かせている学生がいる」という話である。

なかには入試における“カンニング”かのようにとらえ、憤る人もいたが、本当にそう忌み嫌うべきものなのだろうか。

筆者は現在に至るまで15年以上、就職活動生(以下、就活生)を指導してきた。2026年卒・2027年卒に関しても、某上場企業で人事面接を担当し、今もそのまっただ中にいる。

これまでの就活生の変遷も踏まえながら、今起きていることの是非を考えていきたい。

AI普及前には「人事アカ」「就活アカ」が隆盛

生成AIがここまで一般的に普及する少し前、2020年前後にはTwitter(現X)上で、「人事アカ」「就活アカ」なるものが隆盛を極めている時期があった。

そこでは、企業の人事や優秀な就活生だったことを謳うアカウントが投稿する「絶対に落ちない自己PR」「どこでも使える志望理由」のようなものがバズっており、ときに情報商材のように有料での販売に導くようなものも散見された。

しかし、言うまでもなく「絶対に落ちない自己PR」といったものは存在しない。これらを売る人、もしくはこれらに飛びつく人の発想には「唯一絶対の正解がある」といった思い込みが根底にある。

それは実は「1つの正解にたどり着く」練習をし、受験戦争を勝ち抜いてきた思考と相性がいいものでもある。

当時は、少なくない就活生が、これらのアカウントの発する最大公約数的な情報に群がっていた。

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