企業の社員採用では、職務内容に合ったスキルを持つ人材を採用する「ジョブ型」を選択する会社が増えてきた。一方で、新卒一括採用などを重視する「メンバーシップ型」を継続する会社も多い。そういった会社では、新卒でないと入りにくい場合もある。
そこで今回は、『CSR企業総覧(雇用・人材活用編)』2025年版の掲載データを使い、2024年4月新卒入社者(一部、通年採用や第二新卒等を含む)と、2023年度の中途採用者数の合計に対して、新卒採用者が占める割合を「新卒採用占有率」として算出した。
このうち採用人数が新卒・中途合計50人以上かつ新卒採用占有率が80%以上、平均勤続年数が15年以上の71社を新卒採用占有率が高い順にランキングした。新卒でないと入りにくいが、社員が長く働けている企業の一覧として活用していただきたい。
上位10社のうち5社が銀行業
1位は新卒採用占有率100%の十六フィナンシャルグループ。岐阜県の十六銀行を中核とする金融グループだ。新卒採用人数は126人。従業員のインセンティブを高める制度として、資格・技能検定の取得奨励制度を設けている。またキャリアチャレンジ制度を設け、新規に立ち上げたグループ企業や社内の部署、外部企業への出向などへ挑戦したい従業員を公募で募集し、合格者を配置している。
同業では、4位に滋賀銀行(新卒採用人数127人、以下同)と秋田銀行(55人)が新卒採用占有率94.8%で並んだ。8位にも、いよぎんホールディングス(125人)と徳島大正銀行(47人)が94.0%で並び、上位10社のうち5社を銀行業が占めた。
2位の名工建設は96.3%(52人)。保線工事が発祥で、JR向けのほか官公庁、民間でも実績がある。男性の育児休業の取得促進を目標に掲げ、制度の周知・教育を行っている。3位の五洋建設は94.9%(169人)。有期雇用契約社員について、経験・能力・本人の希望を踏まえ毎年数人を正社員に登用しているものの、新卒採用の比率が高い。
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