
7月23日に開催された日本工作機械工業会(日工会)月例記者会見の模様。写真左から2番目が坂元繁友会長、3番目が稲葉善治相談役(記者撮影)
工作機械は主に金属を切削、研削し、部品や金型を加工する機械のこと。さまざまな機械がこの工作機械で加工された部品や金型を使っていることから、「機械を作る機械」「マザーマシン」といわれる。
工作機械の販売先の多くはメーカーだ。注文(受注)が増えるということは更新需要もあるが、「生産を増やす予定がある」「設備投資の意欲がある」メーカーが増えているということになる。
工作機械の販売先の多くはメーカーだ。注文(受注)が増えるということは更新需要もあるが、「生産を増やす予定がある」「設備投資の意欲がある」メーカーが増えているということになる。
景気が上向けば、製造業の設備投資の意欲は高まる。つまり工作機械の受注状況は、景気の先行きを知る手がかりとなる。工作機械の業界団体である日本工作機械工業会(日工会)では、毎月、会員企業から受注状況を集計し、月次で速報と確報を発表している。実際、この受注状況は「景気の先行指標」ともいわれ、市場関係者の注目度も高い。
3カ月おきに確報発表時に定例会見が開かれ、数字だけでなく、背景など定性的な話も出る。今回は7月23日発表の2025年6月分の受注統計(確報)と、同日に行われた坂元繁友日工会会長(芝浦機械社長)らが登壇する定例会見・質疑応答の模様をお伝えする。
内需には伸びに欠く状況
今回の定例会見には、5月に会長に就任した坂元会長だけでなく、それまで会長を務め、日工会の相談役となった稲葉善治ファナック前会長も出席した。

6月の受注総額は1331.6億円。前月比はプラス3.5%と、四半期末効果もあり3カ月ぶりに増加。2カ月ぶりに1300億円を回復した。しかし、前年同月比はマイナス0.5%で、9カ月ぶりに前年同月比減少となった。
内需は398.7億円。補助金の採択や一般機械、自動車、電機・精密がいずれも増えたことで前月比プラス20.8%となった。「発電、掘削機、印刷機械、モーター、産業用エンジン、半導体製造関係などの商談がまとまり、一般機械や電気精密の受注額を押し上げた」(坂元会長)。
ただ、前年同期比はマイナス2.3%と、伸びに欠く状況が続いている。
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