分断が進む職員室に対話を生み出す「魔法の質問」 「なぜ先生になったの?」から始まる対話文化

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対話する教職員たち
正しい答えがない人生100年時代には、教職員の主体性や地域とのつながりも重要となる。これからの学校組織に必要なことを聞いた対談をお届けします(写真:shimi/PIXTA)
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ロンドン・ビジネス・スクール経営学教授のリンダ・グラットン氏らが著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で提唱した「100年時代の人生戦略」は、日本でも一大ムーブメントを起こし、高校生向けに『16歳からのライフ・シフト』も刊行された。
選択肢が増え、正しい答えがない人生100年時代には、教職員の主体性や地域とのつながりも重要となる。教職員のマネジメント改革に取り組んできた湘南学園学園長の住田昌治氏と、総合商社やコンサルティング会社を経て経営者と校長の二足のわらじを履く札幌新陽高校校長の赤司展子氏に、前編に引き続き、これからの学校組織に必要なことを聞いた対談の後編をお届けする。

教職員が本音で語り合える場を

赤司展子(以下、赤司):札幌新陽高等学校では、「中つ火を囲む会(通称:中つ火)」を開催しています。月に1回、教職員同士で対話する場です。職員会議を廃止し、まるでたき火を囲むように教職員同士がフラットに対話できる場を作れないかと考えていたとき、ある先生が、ネイティブアメリカンの文化ではたき火を「中つ火」というのだと教えてくれました。

16歳からのライフ・シフト
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中つ火を通して自由に意見を言い合える雰囲気や場ができて、今では先生たちが放課後集まって「来週の総合の授業どうする?」などと話し合っていることもあります。

先日ちょっとのぞいたら、とても面白かったですよ。YouTubeのモテメイク動画をきっかけに話題は「化粧」に発展し、理科なら成分、社会ならその歴史、また自己表現の1つでもあるので国語や英語はその観点で授業ができるといったように先生同士が話し合っていました。今度はそのバトンを生徒たちに渡してみたら、何か気づきがあるかも、というわけです。

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