分断が進む職員室に対話を生み出す「魔法の質問」 「なぜ先生になったの?」から始まる対話文化

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住田:いかにフラットな関係を作るか、学校のリーダーはつねにこれを考えていかなければならないと思います。立場が上だから、偉そうにするから人がついてくるのではありません。

私は教職員の主体性を引き出すための取り組みとして、「この指とまれプロジェクト」を前任校である横浜市立日枝小学校の校長時代に始めました。先生たちが気づいたこと、やりたいこと、どうにかしたいと思っていることなどに予算をつけてプロジェクト化したのです。

教職員なら誰でもプロジェクトに参加できます。校長室が教職員のディスカッションの場として使われているのも、「脱・校長室プロジェクト」を先生たちが立ち上げて作り上げた空間です。彼らは自分たちの使いやすいように校長室を変えたのです。ハンモックを入れたほうがいいと言われたので、入れました。

赤司:私自身も「ついてこい」という力強いタイプのリーダーではないので、いろいろなタイプがいていいと思います。紋切り型ではなく、自分に合ったリーダー像が描けるといいですよね。そうすれば結果的に、皆が幸せになるのではないかと思います。

学校のリーダーに求められることとは

住田:そのためには、リーダーが自分を知る、自己認識力が必要ですね。鎧を着て、無理して人のマネをしたり、こうあらねばならないとか思ったりすると、眉間にしわが寄ります。「周りを変えたければ、まず自分から」というのが私の持論ですが、変わり方も、自分に合ったやり方でいい。トップダウン型だとかボトムアップ型だとかは関係ありません。

ただ、人がついてくるリーダーというのは、しっかりと相手のケアができる人、話を聴き承認し、感謝できる人ではないでしょうか。

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