公立高校の校長「現場と自治体の間」で揺れる苦悩 人手不足の中、問題行為起こした先生の対応も

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濱井正吾 教育困難校
中堅の公立校が抱える苦悩とは(写真: Graphs / PIXTA)
「教育困難」を考える本連載。今回お話を伺ったのは、ある公立高校で校長を務める細川先生(仮名)です。細川先生の高校は、偏差値50程度の普通科の学校で、決して「底辺」高校ではない、真ん中ぐらいの学力の学校です。しかし話を聞いていると、地域内で上でも下でもない位置づけの学校だからこそ、さまざまな悩みを抱えているようでした。今回は特別編として偏差値50程度の中堅校の現状について、自身も15年前に「教育困難」校を卒業した濱井正吾氏が伺いました。

熱意ある先生たちが3年で辞めてしまう

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細川先生(仮名)は偏差値50程度の公立中堅校で校長を務めています。「学力が低く、荒れている」というようなわれわれが想像する教育困難校には当てはまりません。

一見すると「底辺校」「教育困難校」とはほど遠く、生徒も真面目な公立中堅校では、慢性的な教員不足によってさまざまな問題が起きているようです。

細川先生の学校は大規模校で、50名程度先生が働いています。しかし「学校改革に従事してくれる先生は5人にも満たない」と細川先生は吐露します。

数少ない熱意ある先生たちは、自分たちの学校現場をよりよくしようと、日々さまざまな意見を出すものの「現状を変えずに働きたい」と考える一定数の教師たちは快く思わず、通っている生徒たちの教育環境を整える改革は、なかなか進んでいません。

さらに補習や進路指導、部活動、教材研究や保護者対応など、積み重なっていく仕事を引き受けるのは、やはり熱意のある教師たち。あまりの負担の多さに耐え切れずに3年ほどで辞めてしまう先生も増えているようでした。

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