さまざまな環境の子どもたちが通う《教育困難校》に通った彼が見た世界 "大学受験を意識した"大きなきっかけ

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
教育困難校 濱井正吾
※写真はイメージです(写真: Fast&Slow / PIXTA)
「教育困難」を考える本連載。今回は、首都圏の西部に位置する教育困難校の卒業生である大山さん(仮名)に学校の環境に関する話を、15年前に「教育困難」校を卒業した濱井正吾氏が伺いました。

さまざまな学力帯の子どもが通う学校

今回お話を伺ったのは、関東の西部に位置する教育困難校(A高校)出身者の大山さん(仮名)です。

大山さんは現在30代の男性で、約15年前にA高校に通っていました。 人口100万人程度のこの地域は、公立・私立校ともに多く、進学校から専門高校などさまざまな学力帯の学校があります。

都市部の中でも少し郊外に位置する静かなこの高校は、幅広い学力帯の生徒が、朝〜夜とさまざまな時間帯に通える単位制の高校でした。

大山さんが通っていたのはA高校の夜間部でした。昼間の通学生に比べると、給食費や学費を払えなかったり、生活保護を受けていたりするなど家庭環境が荒んでいる通学生が多く、金銭的な問題が見られなかった中流家庭の生徒はクラスに5〜6名程度だったようです。

同級生は、入学時には男性が約10名、女性が約20名と30人程度いたそうですが、最初の3カ月で学校の環境に合わなくなって辞める人も多くいました。それからも、給食費を滞納したり、学費を払ったりできずに退学になった生徒が出続けた結果、1年間でクラスの人数は入学時の半分近くまで減ってしまいました。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事