公立高校の校長「現場と自治体の間」で揺れる苦悩 人手不足の中、問題行為起こした先生の対応も

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人材難を防ぐ方法として、細川先生の学校では、繁忙期や職員に欠員が生じた際などに任用する非常勤公務員の「会計年度任用職員」に頼っています。しかし、その職員たちの評価や契約更新の作業にも、時間を割かなければいけません。

「うちの学校では、学校図書館司書や部活動指導員などを会計年度任用職員の方にお願いしており、現在は16人の方にお世話になっています。ですが、16人のすべての仕事を評価して、1年ずつ契約更新する作業には、とても時間を使います。その大変な仕事を、わが校では副校長先生がやってくださっているのですが、ただでさえ副校長先生は他の膨大な業務に追われています」

一方で、人手が足りない学校現場の中で、細川先生はこうした「外部からの人材に頼ること」に一縷の望みも、見出しているようです。

「学校外から来ていただくことで、確実に生徒が前向きになりましたし、われわれ教員にとっても、吸収させていただくことがとても多くなったと感じています。

大学教授の方に講演していただいたときは、1回の講義を受けただけで生徒たちの姿勢が大きく変化しているように感じました。今後は生徒や教員を含めて、内部にいる人たちに刺激を与える活動を進めていきたいですね。

ただ、講演で外部の人にお願いするためには、ある程度の先立つ物も必要になっていくので、金銭面ではわれわれ管理職の旅費を削ったり、人脈の部分では私が参加した同窓会で知人にお願いするなど、地道に活動していこうと思います」

中堅校の実情が反映されない評価基準

外部の人材を活用することに希望を感じる一方で、先述したように学校の評価、先生方の評価には膨大な作業が必要となります。それでも通っている生徒たちのために問題解決の努力を続ける細川先生ですが、自治体から指示される評価の基準には、中堅校の実情を反映できていないと感じています。

「自治体では進学先や中途退学者など同様の基準で各学校を評価していますが、同じ基準でそれぞれの高校を評価するのは違うのではないかとも思っています。

中途退学者率は、学校が悪いというよりは、その子の状況や学校とのミスマッチなども考慮しないといけないはずです。大学群に関しても高校によって生徒数などのボリュームゾーンが異なるため、評価軸がすべての学校で一緒というのはやはり違うのではないかと。

私立の学校だと特色を打ち出していけるのですが、公立だと難しいですよね。自治体が各学校の位置づけを明確に示してくれたらいいのと感じています」

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