赤司:私は、学校に学び直しの大人が来ればいいなと妄想しています。わざわざ対話の場を設けなくても、学校の中で多様な世代が集まり、地域の人々と子どもが交じり合う場になれば、そこで関係性が生まれてきます。社会のハブのような。
保護者や地域と一体となる
住田:なるほど、それはいいですね。地方に行くと学校に壁や門がなく、地域と一体になっている環境があります。どこまでが学校の敷地かわからないから、地域の人が自由に学校に出入りしている。首都圏では難しいかもしれませんが、学校をもっと良くするために地域や保護者の方々と一緒に何か取り組んでいくという方法はありそうです。
赤司:以前、フィンランドの教育ツアーに参加したことがあり、ヘルシンキの保育園から大学まで、各種教育機関を視察しました。
興味深かったのは、広さや予算の関係でグラウンドや図書館がない学校が、町の公共施設を使っていたことです。幼稚園でも老人クラブでも、町の人は同じグラウンドを時間で区切ってシェアしていました。すると、そこは人が交わる場になりますよね。
住田:学校と保護者、地域とが一体となって子どもを育てていくという社会になれば、自ずと先生たちも、そして学校も元気になっていくと思います。教育業界も変えるべきところは変え、変えてはならないところは守っていかなければなりません。不易流行です。
「不易」は何かというと、先生が子どもたち1人ひとりときちんと向き合い、育つ力を引き出し、後押ししていくこと。そのために先生の働き方や働く環境を変えていくのが「流行」です。
赤司:その「流行」の部分は、失敗を恐れず変えていきたいですね。子どもたちにとって、先生は働く大人として最も身近な存在です。身近にいる大人が、楽しそうに働いていること。これはとても大事なことではないかと思っています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら