分断が進む職員室に対話を生み出す「魔法の質問」 「なぜ先生になったの?」から始まる対話文化

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赤司:私は、学校に学び直しの大人が来ればいいなと妄想しています。わざわざ対話の場を設けなくても、学校の中で多様な世代が集まり、地域の人々と子どもが交じり合う場になれば、そこで関係性が生まれてきます。社会のハブのような。

保護者や地域と一体となる

住田:なるほど、それはいいですね。地方に行くと学校に壁や門がなく、地域と一体になっている環境があります。どこまでが学校の敷地かわからないから、地域の人が自由に学校に出入りしている。首都圏では難しいかもしれませんが、学校をもっと良くするために地域や保護者の方々と一緒に何か取り組んでいくという方法はありそうです。

赤司:以前、フィンランドの教育ツアーに参加したことがあり、ヘルシンキの保育園から大学まで、各種教育機関を視察しました。

『16歳からのライフ・シフト』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

興味深かったのは、広さや予算の関係でグラウンドや図書館がない学校が、町の公共施設を使っていたことです。幼稚園でも老人クラブでも、町の人は同じグラウンドを時間で区切ってシェアしていました。すると、そこは人が交わる場になりますよね。

住田:学校と保護者、地域とが一体となって子どもを育てていくという社会になれば、自ずと先生たちも、そして学校も元気になっていくと思います。教育業界も変えるべきところは変え、変えてはならないところは守っていかなければなりません。不易流行です。

「不易」は何かというと、先生が子どもたち1人ひとりときちんと向き合い、育つ力を引き出し、後押ししていくこと。そのために先生の働き方や働く環境を変えていくのが「流行」です。

赤司:その「流行」の部分は、失敗を恐れず変えていきたいですね。子どもたちにとって、先生は働く大人として最も身近な存在です。身近にいる大人が、楽しそうに働いていること。これはとても大事なことではないかと思っています。

住田 昌治 湘南学園学園長

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すみた まさはる / Masaharu Sumita

1958年生まれ。横浜市立永田台小学校校長、横浜市立日枝小学校校長を経て、現在学校法人湘南学園学園長。教職員や児童生徒が自律自走するための学校組織マネジメント・リーダーシップ、働き方等について執筆や全国各地で講演を行っている。著書に『カラフルな学校づくり』(学文社)、『管理しない校長が、すごい学校組織をつくる!「任せるマネジメント」』(学陽書房)、『校長先生、幸せですか?』(教育開発研究所)などがある。

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赤司 展子 札幌新陽高校校長

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あかし のぶこ / Nobuko Akashi

札幌新陽高校の「複業する校長」。早稲田大学商学部卒業後、三井物産、アルフレックスジャパン、UBS証券を経て2007年PwC Japan入社。被災地支援の一環で福島県双葉郡の教育復興プロジェクトを推進。2018年「学びの多様化」に取り組むため独立しウィーシュタインズを設立。2021年4月より札幌新陽高校の校長を務める。ウィーシュタインズ株式会社代表取締役、NPO法人インビジブル理事、社会彫刻家。

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