学校は「学歴証明書を発行する機関」?
妹尾昌俊(以下、妹尾):「教育」「仕事」「引退」という3ステージの人生を一斉行進で歩むのではなく、年齢問わず自分に合ったタイミングで学び、遊び、働く。そんなマルチステージの生き方が、今後100歳まで生きるであろう子供たちに求められています。
しかし、学校現場はどうかというと、旧態依然としています。たとえば、「進路指導」と呼ばれる教育相談等は3ステージが当たり前だった時代のままの発想から変化していないのではないでしょうか。
また、高校や中学校は塾ではないはずなのに、進学実績ばかりをPRしています。企業や役所も、高校や大学に期待するのは「学歴証明書を発行する機関」といった位置づけで、その人が何をどう学んだかはあまり重視していないのではないでしょうか。就職活動で、いわゆる学歴フィルターは依然としてありますよね。
中島晴美(以下、中島):確かに、エントリーシートに大学名を入れただけで次のステップに進めるかどうかが決まるシステムが依然としてあります。一方で、大学名を一切問わない企業も出てきていると聞いています。このように多様性を重視する企業が増えつつあることは大変嬉しいことです。