東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #16歳からのライフ・シフト

学校名で人を判断するのはいい加減やめませんか ウェルビーイングを学校で実践して起こった事

11分で読める
  • 中島 晴美 埼玉県上尾市立平方北小学校校長
  • 妹尾 昌俊 一般社団法人ライフ&ワーク代表理事、OCC教育テック大学院大学 教授
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES
5/5 PAGES

妹尾:新型コロナウイルスの流行によって、2020年3月から5月、6月頃まで、全国的にほとんどの学校では休校になりました。春休みが延びたようなものです。しかしここで子供たちの過ごし方は二極化していたように感じます。自分のやりたいことや好きなことがある子は、もう自由研究し放題。一方、大勢の子は何をしていいかわからず、ネットで動画を見てヒマを潰していたのでは。

『16歳からのライフ・シフト』にもあるように、重要なのはレクリエーションだけではなく、リ・クリエーションです。子供たちにとってのリ・クリエーションは探究と言い換えてもいいでしょう。別に勉強だけが学びではなく、家事でも趣味でもいい。しかし目の前の娯楽を娯楽として消費するだけで、主体的に何かを創造する子供があまり育っていなかったなというのが実感です。

「遊び」から学びや自由な発想が生まれる

中島:私の場合、平方北小学校に異動して、ウェルビーイングを実践しようと思っていた矢先に一斉休校になりました。「幸せな学校にしたい」という思いより、子供たちが学校に通えない現実に向き合うことが最優先でした。

ただ「SPIRE」の「R」、人間関係のつながりは絶対に必要だと感じたので、とにかくオンラインでつながれるよう、すぐにWEB会議用アプリを導入しました。

『16歳からのライフ・シフト』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

妹尾:かなり早い段階でしたよね。周りからの反対の声はなかったのですか。

中島:ありました。導入したのは2020年5月の3週目、小学校での導入率はまだ5%ほどの時期です。でも「つながりは大事なんです。ここだけは譲れません」と、とにかくスマホで先生たちと練習するところから始めました。そのうち、ウェルビーイングの知見を少しずつ学校だよりや校長室だよりで伝えていくようにしました。2年目には、地域の学校運営協議会の方々から「ウェルビーイングの内容を学校経営方針に入れたほうがいいよ」と言ってもらえました。

体現すること、ぶれずに伝え続けていくこと。何より子供たちが変わっていったことが大きいと思います。欠席ゼロ人の日数が増えたり、学校が楽しいという子が増えたり、学力が向上したり。体力の低下も顕著だったので、休み時間を5分延ばし、外で思いっきり身体を動かして自由に遊ぶ時間を確保しました。25分間の自由な時間は子どもたちにとってとても有意義な時間になっています。

じつは先日、6年生が学校の敷地内に「畑を作りたい」と言ってきました。日照時間や育つ作物などを自分で調べ、パソコン片手にプレゼンテーションを行ったので驚きましたね。

妹尾:面白いですね。遊びから学びを得たり、遊びから自由な発想が生まれたりします。それこそまさにリ・クリエーションです。習い事や塾もいいですが、「今日は何をしようか」って子供たちが自由に使える時間や遊びの価値を、私たち大人が見直してみることは大事なのではないでしょうか。教育(学校、家庭、社会教育を含む)における一つの大きなテーマだと思います。

後編に続く)

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象