「学校復帰」を目指す不登校支援はもう古い? N高人気にみる「学校に通わない」という選択肢。「不登校=年30日以上欠席」という前提を問い直す

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教育の本質は、学校に通っているか否かではなく、その子が学びにアクセスできているかどうかです(写真:metamorworks/PIXTA)
開成高校・東京大学卒のAIエンジニアで、2024年の東京都知事選では15万票を獲得した安野貴博さん。新著『1%の革命』では、安野さんが考える「技術的革新をテコに各業界で大きな変化をつくり出す方法」が紹介されています。
同書から一部抜粋・編集しお届けします。

「学校に通わない」という選択肢

現在の教育制度の中で取り残されやすい存在となっているのが、不登校の子どもたちです。

小・中学校における不登校児童生徒数(2022年度)は全国で約30万人。前年度比で2割以上増加し、過去最多となりました。東京都も例外ではなく、不登校の子どもは約2万7000人と、10年連続の増加となっています。

角川ドワンゴ学園が運営する“ネットの高校”であるN高は、学校に通うのが不安な生徒たちの受け皿となっている側面もありますが、その生徒数は2016年の開校以来、急増しています。5年で生徒数1万5000人以上となり、2021年にはS校を開校。2校合計の生徒数はすでに3万人を超えています。この急拡大ぶりは、「学校に通わない」という選択肢に対するニーズの高まりと、「N高やS高以外の選択肢があまり見当たらない」という現状を物語っているのではないでしょうか。

2024年には、熊本県に本校がある通信制高校の勇志国際高等学校が、学校教育法一条で定められた学校として初めて、メタバース内で学ぶことで全日制高校と同様の高校卒業資格を得られる「メタバース生」コースの生徒募集を開始し、話題となりました。同校のメタバース生は、3D空間の活用で気の合う友だちと出会いやすい環境が用意されますが、こうした新しい選択肢も注目されています。

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