「学校復帰」を目指す不登校支援はもう古い? N高人気にみる「学校に通わない」という選択肢。「不登校=年30日以上欠席」という前提を問い直す

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未踏ジュニアで私がメンターを担当したなかにも不登校の子どもたちが何人かいました。

担当した不登校の子どもたちのなかに、一般の大人をはるかに上回るようなエンジニアリング力をもっている一方、対面のコミュニケーションは苦手で、学校に行っても友だちと会話が成り立たない悩みを話してくれた子がいました。

そうした子どもたちに対し、みんなと一緒に教室で机を並べて先生の話を聞くという、これまで“普通”とされてきた教育スタイルを押しつけるのはいささか酷だと思います。

広島に学べ―不登校問題への取り組み

現在、自治体の教育委員会が行っている不登校の子どもたちへの支援策は、校内の別室を利用できるようにするなどさまざまですが、各地の教育支援センターがサポートする役割を担っています。ただ、あくまで「学校復帰」を目的とすることが多いため、その支援の中身は、時代とともにアップデートされてきたとは言い難いのが現状です。

実は、数十人の生徒たちを相手に1人の教師が教える「一斉教授型授業」、同学年に同カリキュラムを学ばせる「学年制」は、19世紀に近代的な工業社会の発展とともに生まれた歴史の浅いシステムです。

現行の授業の仕方はあくまで1つの方式に過ぎないので、令和のニーズに合わせて、不登校の子どもたちも安心して身を置ける場所―1人ひとりの個性や事情に合わせた学びができる教育システムを開発すべきだと私は思っています。

そこで大きなヒントとなるのが、広島県の教育支援センター「SCHOOL“S”」の先進的な取り組みです。

2022年春にオープンしたこの施設は、子どもたちの所属する各学校と連携しており、子どもたちは学校に行けなくてもこの場に行くことで、自分の立てたカリキュラムで学ぶことができます。特徴的なのは、教室を「先生が教える場」ではなく、「自分で選択して学ぶ」“リビングルーム”と捉えている点です。例えば「学習室」では、机と椅子を自由に動かして、子ども同士で向かい合ったり窓のほうに机を向けたりして、自分にとって快適に感じられる環境を自分でつくり、自分のペースで勉強してOKなのです。

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