私が本インタビューをさせていただこうと思ったきっかけは、ミネルバ内部の友人から、「ミネルバが拠点都市を増やそうとしていて、日本も候補の1つにあがっている」という情報を得たからだ。
「世界的な教育機関」が来れば、日本も変わる
そこで早速、来日予定のマギー学長とのミーティングをセットアップさせていただいたのだが、日本の都市の価値を高めるうえで、「グローバルでイノベーティブな教育機関を招致すること」が、最も価値の高い政策の1つと思われた。
私は大学院を、世界80カ国からの学友がフランスとシンガポールに集まるINSEADで過ごしたが、人生最大級の素晴らしい経験であった。
ともすれば「視点が国内に閉じてしまいがちな日本」に、こういう世界的なアカデミックコミュニティーができれば、どれほど社会の発展に貢献するだろうかと考えていたのだが、ミネルバのような世界的な教育機関が日本にやってきたら、日本の教育改革も弾みがつくことだろう。
日本の教育改革は「東大や京大がまず変わって、それを見てほかの大学が変わっていく」という雰囲気だが、その役割を担うのは、「文科省のあまりセンスなさそうなオジサン」と、これまた「時代遅れの政治家のオジサン」といっても過言ではない。
そう考えると、「英語教育をTOEFLにしよう」という政策1つですら何十年かかっても変わらないのは、私たちが目撃したとおりである。
その間、「日本の英語力」はアジアの隣国に比べ大きく差をつけられ、「国際競争力」や「経済力」が低下してきたのはご存じのとおりだが、そもそも「グローバルな視点で、世界のさまざまな人々と交流できる日本の若者を増やす必要性」は、多くの方々が感じておられるのではなかろうか。
グローバル化の進展に反して、海外に出ていく日本人留学生が減っており、「内向き志向」になっていることも指摘されて久しい。
そんななか、ミネルバ大学のような「グローバルでイノベーティブな教育機関」に触れる日本人が増えてほしいものである。
後編では、短期間で世界有数の人気大学へと成長したミネルバ大学の教育改革から、「日本の教育界が学べるインプリケーション」を、引き続きマギー学長にうかがっていく。
(この記事の後編:日本の教育「本当の3大改善点」、世界に学ぶ教訓)
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